1.世界95ヶ国のDVや性暴力支援窓口の情報を集めたLila.Help:2022年4月、オープン
Global Network of Women’s Shelters(GNWS)とUN Womenがいくつかの企業の支援も得ながら共同で開設したものです。
日本語サイト:https://lila.help/ja/
ライラ・ヘルプについて:https://lila.help/ja/about/
2.Global Network of Women’s Shelters(GNWS)
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グローバル・ネットワーク・オブ・ウィメンズ・シェルターズ(GNWS)は、世界の女性シェルター運動のグループのネットワーキングです。世界中で、DV被害者の支援は女性シェルター運動として発展してきました。1995年の国連の世界女性会議北京)を大きな契機として、世界中にDV法が作られ、DVシェルターや意識改革を目指す政策が導入されてきたことは、多くの人が知るところです。日本の民間DVシェルターも、北京会議など世界の大きな潮流、各国のDVシェルター運動の影響を受けながら生まれ、成長してきました。
GNWSはこれまでに4回、世界会議を開催し、世界の「女性に対する暴力」の状況の把握、各国の施策の情報交換、そしてDV被害者を支援する人々(「DVアドボケット」)や団体間の交流を目指して活動してきました。
GNWS理事会メンバー
□ COVID-19の状況下での世界中のDVシェルターの奮闘と互いの交流
新型コロナウィルスの感染拡大とそれに伴う経済悪化、シャットダウンなどにより、女性に対する暴力が増えることが世界中で懸念され、国連によっても「影のパンデミックー女性に対する暴力」という警鐘が鳴らされています。
感染の危険やシャットダウンなどの中、世界各国のDVシェルター関係者は、国に「シェルターを閉じるな」「シェルタースタッフに仕事をさせろ」と要望したり、シェルターでの感染予防対策についての情報交換をしたり、被害者に「Stay Homeではなく、家から逃げて」と呼びかけ、被害者支援活動の継続を模索したりと懸命に活動しています。また、対面での相談支援が難しくなっている中で、オンラインなど会えない中での支援方法を模索しています。
□ GNWS Webinar(ウェビナー)
COVID-19 の深刻な状況が始まった2020年3月から、GNWSでは緊急のウェブ会議(ウェビナー)を継続的に開催し、世界中の関係者がオンラインで報告し合う活動を現在も続けています。
今後のウェビナーの開催予定・参加申し込みはウェブサイトからできます(英語)。また、過去のウェビナーの録音も、ウェブサイトで聴くことができます。
□ 世界女性シェルター会議(WCWS)について
第五回世界会議(5WCWS):
日時:2019年11月5日(火)~8日(金)
場所:オーストラリア、シドニーの国際会議場(international convention center)
で行われます。16,17,18日が会議で、15,19日は視察ツアー(予定)です。
【シェルターネットでは皆様の参加をサポートしていきます】
◆案内ページはこちら:https://nwsnet.or.jp/archives/3989
◆専用Facebookへのリンク:https://www.facebook.com/4WCWSJPN
第四回世界会議(4WCWS):2019年11月に台湾で開催されました。アジアでは初の開催でした。日本から100人を超える方が参加し、全体で世界100ヵ国から1,100人の参加者がありました。また、台湾の蔡英文総統を始め、各国の要人・キーパーソンが参加しました。その様子は、動画で見ることができます。また、その参加報告を盛り込んだ、日本のシェルターネットの報告集も販売しています。
日時:2019年11月5日(火)~8日(金)
場所:台湾・高雄市高雄展覧館(Kaohsiung Exhibition Center)
会議の様子は、動画で見ることができます。
Women Survivors Rap Group – Ask him why (No victim blaming, no victim shaming) at 4WCWS. オランダのDVサバイバー・グループのラップソング。第四回世界女性シェルター会議のために作られました。日本語字幕付き。
第三回世界会議(3WCWS): 2015年11月3日~6日 オランダ、ハーグで開催されました。
3.アジア・女性シェルター・ネットワーク Asian Network of Women’s Shelters(ANWS)
全国女性シェルターネットは、ANWSの理事メンバーです。
アジア・女性シェルター・ネットワーク(ANWS)は、第二回世界女性シェルター会議へのアジア各国の参加者の間で合意され、2012年に結成されました。以来、各国のシェルター関係者、女性に対する暴力の支援者や政府関係者が集まって会議を開催、また、アジア各国の情報を把握するための調査研究プロジェクトなどを行っています。
事務局は台湾(The Garden of Hope Foundation)で、台湾や日本、ネパールやシンガポールなどで国際会議を開催してきました。アジアでも、台湾や韓国、香港、シンガポールなどは日本よりも高いレベルのDV対策を実施しており、また、民間団体が活発に活動して支援活動を担っています。
マレーシアはアジアで一番早くDV法を制定しました。同時に、南アジアを中心に人身売買(ヒューマン・トラフィッキング)や幼児婚、酸攻撃、名誉殺人、ダウリーなど、非常に過酷な女性に対する暴力の被害があり、様々な民間団体がその被害者支援活動や、そうした暴力をなくすための活動に取り組んでいます。新しく生まれた国、東ティモールでもDVを罰する法が制定され、DVや虐待のためのシェルターが活動しています。
香港の団体の啓発動画(2008)
マレーシアのWomen’s Aid Organization(WAO)のPR動画
□ 台湾 The Garden of Hope Foundation 勵馨基金會
「女性に対する暴力に反対する男たち(V-men)のマラソン・イベント」V-Men Run “Let Love Shine, Violence aside” road running event
2017年の台北でのアジアシェルター会議の後、各国代表者は台湾総統府を訪問し、陳副総統と懇談。2019年のアジアで初めての世界女性シェルター会議実現に向けて動き始めました。
□ ANWSのオンライン・イベント(CSW68パラレル・イベント)
2024年3月11日 「経済的DVのストーリー: アジアのシェルターでの支援ケースを語る」が開かれ、日本のシェルターネットの無利子での貸金支援事業の報告を行いました。
https://shelterasia.org/2024/03/13/3-11-event-recap-anws-ngocsw68-parallel-event/
3.ヨーロッパ・シェルターネットワーク Women Against Violence Europe(WAVE)
ヨーロッパ、欧州評議会を中心として作られた「イスタンブール条約(女性に対する暴力及びドメスティック・バイオレンスの防止、根絶に関する条約)」は、DVなど「女性に対する暴力」対策のいわばグローバル・スタンダードです。現在、世界で30ヶ国以上がこの条約に批准またはサインしています。
WAVEはヨーロッパ46ヶ国をつなぐ団体です。WAVEでは、ヨーロッパ各国のDVシェルターやDV対策の情報を把握し、イスタンブール条約の理解を進めたり、DVシェルターの取り組みを向上させるためのマニュアルや研修テキスト、様々なハンドブックを発行するなどの情報発信を行い、またヨーロッパ各国のシェルター情報が一覧できるリストも発信しています。
ヨーロッパのシェルター運動では、「被害者が遠くに逃げて隠れる」というものではない対策を導入する段階に移行しつつあります。
また、オランダの王妃もDVシェルターを運営し、第3回世界女性シェルター会議で基調講演を行い、デンマークのメアリー皇太子妃もDVシェルター支援活動を行い、第2回世界女性シェルター会議で「なぜ逃げないの?と聞くのはもうやめましょう」とスピーチするなど、多くのセレブも、DV被害者支援、DV防止活動に関わっています。
キーラ・ナイトレイが出演した英国の反DVキャンペーン広告「Cut」(2009、Women’s Aid制作)
第2回世界女性シェルター会議 啓発動画コンテストでも取り上げられました。
4.アメリカのシェルター・ネットワーク National Network to End Domestic Violence(NNEDV)
DV、性暴力、女性に対する暴力防止のためのテクノロジー情報を集めたサイト。Covid-19 関連情報やサバイバーお助けツールキットなども開発されています。
5.カナダのシェルター・ネットワーク Women’s Shelter Canada
6.アフリカ・シェルターネットワーク(ANWS)
2012年に結成されましたが、現在ウェブサイトは閲覧できません。
7.One Billion Rising キャンペーン について
世界の女性の3人に1人が生涯に、殴られたりレイプされたりという「女性に対する暴力」を受けていると言われています。ということは、10億人の女性と少女が、被害に遭っているということになります。
One Billion Risingは、世界中の10億の女性たちが、たちあがり、地域社会や世界に示し、ダンスを通して喜びと連帯を表現し、この暴力に負けないでいることを祝うという世界的な取り組みです。世界の何百もの国で、フラッシュモブなどのダンスやパフォーマンス、集会、行進など、様々なことが行われています。作家のEve Enslerさんが女性に対する暴力を根絶するために始め、女優のMonique Wilsonさんらが精力的に活動しています。
2013年には200以上の国に広がりました。その様子を伝える動画。
「ブレイク・ザ・チェイン」の曲とダンスが世界中で行われていましたが、2019年には、新しい曲「We are rising」も発表されました。