暴力を振るうのは「特殊な男性」ではありません。
どこにでもいる、普通のカップルの間で起こり続けているのがDVです。
あなたや、あなたの身の回りの友人、親族に心当たりはありませんか?少しでも何か気づくことがあったら、チェックしてみましょう。
DVチェックテスト
こんなふうに感じたことはありませんか。
いつも彼の顔色をうかがい、神経をはりつめて生活している。
問題がおこるたびに、自分に力がない、自分が悪い、自分のせいだと思ってしまう。
自分は価値のないつまらない人間だと思うことがある。
夫がいないとほっとする。
いつも孤独を感じる。
精神的暴力
馬鹿にする、罵る、怒鳴る。
あなたに対して「バカ」「ウザイ」などと傷つくようなことを言ったり、髪形や服装、体形などをけなす。
何を言っても相手にせず無視する。
「お前は何もできない」「役立たず」などと侮蔑する。
子ども、親戚や友人、近所の人などの前であなたを罵倒したり非難したりする。
「誰に食わせてもらっているんだ」「1人で生きて行けると思うな」などと
あなたを惨めな気持ちにさせる。
あなたや子どもなどあなたにとって大切な人を傷つけると脅す。
暴力の原因を「お前が怒らせるからだ」などと人のせいにする。
重要なことを相談せずに自分だけで決めてしまい、反論したり意見を言ったりすることを許さない。
あなたをダメな人間だと思わせる。
ひどい嫉妬をして、あなたを責める
何時間も説教し、眠らせない
自分の失敗や様々な問題を、あなたのせいにする
大切にしている物を壊す
にらむ、怒鳴る、物を叩き壊すなどして、あなたを怖がらせたり脅したりする。
気に入らないことがあると家から追い出し、鍵をかけて入れなくする。
社会的暴力
24時間監視して自由な行動を制限する。
友人・実家との付き合いを制限する。
外出・電話・メール・手紙などをチェックする。
あなたがどこにいるのかを常に知ろうとする。
あなたが他の男性と話すと怒る。
使用人・奴隷のようにあなたを扱う。
あなたが浮気をしているのではないかとしょっちゅう疑う。
あなたが医者にかかることも彼が決めることだと思っている。
経済的支配
自由になるお金を渡さない。生活費を渡さない。
「女は家にいるものだ」などといって働く事を許さない。
家計管理を独占して給与明細や銀行口座を知らせない。
妻の名義で借金をさせる。
必要な生活費を渡さない。
仕事を辞めさせない・仕事を辞めるように言う。
性的暴力
避妊に協力しない。
中絶を強要する/強要された。
体調や気持ちを配慮せず一方的な性交渉を強いる。
暴力的なセックス(殴る、ねじ伏せる、縛る)を強要する。
性的な映像を無理やり見せる。
人に見られたくない写真や動画を撮り、インターネットに公開するという。
身体的暴力
殴る、蹴る、突きとばす。
平手で叩いたり、当たればけがをするようなものを投げつける。
拳で殴ったり、けがをするようなもので殴る。
髪の毛をつかんで引きずり回す。
窒息させようとしたり、やけどを負わせたりする。
タバコの火を押し付ける、熱湯をかける。
物をぶつける、階段から突き落とす。
首を絞める。
あなたに向けて刃物やその他の凶器を使うと脅したり、実際に使ったりする。
刃物で刺す、車でひき殺そうとする。
一個でもあれば、どこかに相談しましょう。
加害者や被害者の性別について
DVや性暴力の加害者の圧倒的多くが男性であり、圧倒的多くの被害者が女性になる傾向があります。そのため、DVや性暴力、ストーカー、セクシュアル・ハラスメントなどは、国連など国際社会で「女性に対する暴力」「ジェンダーに基づく暴力」としてとらえられています。それは、性別(ジェンダー)に関して不平等な社会構造が原因です。それで、このチェックリストや、下に紹介する沼崎さん作成のチェックリストでは、被害者が女性、加害者が男性という想定で表現しています。しかし、個人個人の関係性の中では男性が被害者になることもあり、また、同性カップルでのDVや、トランスジェンダーの人がDVの被害・加害当事者になるケースも存在します。そこで、このチェックリストで表現されている性別は、あくまで参考として見ていただき、あなた自身の状況やジェンダー・アイデンティティ、相手との関係性等によって柔軟に活用して下さい。
女性用チェックリスト
出典:「なぜ男は暴力を選ぶのか―ドメスティック・バイオレンス理解の初歩 」かもがわブックレット 2002年 沼崎 一郎 (著) より
あなたが体験したことのある項目に、〇をつけてください。
□ 彼の注文に少しでも疑問を示すと、すぐに不機嫌になる。
□ うまくいかないことがあると、すぐに私のせいにする。
□ 私が1人で外出すると、しょっちゅう携帯に電話してくる。
□ 私が友人や両親と交際するのを嫌がる。
□ 私の帰宅が遅くなると怒る。
□ 私に「バカ」とか「能無し」とか言う。
□ いつも彼の機嫌をそこねないように気を配っている。
□ 彼に怒られるのがいやで、言うことを聞いてしまう。
□ ついつい彼好みの洋服を選んでしまう。
□ 人前でも平気で私の欠点を指摘する。
□ 彼と会話がしたくても、非難されたり、無視されたりする。
□ 私のちょっとしたしぐさにもうるさく文句を言う。
□ 彼がいないと、なぜかホッとする。
□ 癇癪を起すと、壁をなぐったり、物を投げたりする。
□ 彼に平手打ちにされたことがある。
□ 私をたたいた後は、急に優しくなり、私に謝ってくる。
□ 彼を怒らせないために、あきらめたことがいろいろある。
□ 彼は、私の気分などおかまいなしにセックスを求める。
男性用チェックリスト
出典:「なぜ男は暴力を選ぶのか―ドメスティック・バイオレンス理解の初歩 」かもがわブックレット 2002年 沼崎 一郎 (著) より
あなたが体験したことのある項目に、〇をつけてください。
□ 彼女に大声を上げたことがある。
□ 彼女には自分だけを見ていて欲しいと思う。
□ 彼女が話しかけても返事をしないことがある。
□ 話の最中、立ち上がって彼女に近づいたことがある。
□ 彼女にバカにされたと思ったことがある。
□ 女は男を立てるべきだと思っている。
□ 黙って彼女をにらんだことがある。
□ 彼女が他の男と話していると気になる。
□ 彼女の携帯をこっそりチェックしたことがある。
□ 浮気をしたことがある。
□ 彼女に「なまいき言うな」と言ったことがある。
□ 彼女に手を上げたことがある。
□ 彼女に何か言い返されると腹が立つ。
□ 彼女をののしったことがある。
□ 彼女は口うるさいと思ったことがある。
□ いつも彼女と一緒でないとイライラする。
□ 彼女に反発されると、とても傷つく。
□ 彼女に無断で借金をしたことがある。
チェックリストの結果について
このリストの製作者である沼崎さんによると、上記のチェックリストのうち一つでもチェックのついた人はDVとなっています(女性用でチェックがついた方は、DVの被害をうけており、男性用でチェックがついた方はDVの加害をしていることとなります)。