2015年11月7日、8日 第18回全国シェルターシンポジウム 2015in沖縄

「性暴力禁止法の制定に向けて 命(めん)どぅ宝(たから)〜暴力のない世界へ〜」

会場:沖縄県男女共同参画センター てぃるる

主催:NPO法人 全国女性シェルターネット

後援:内閣府、厚生労働省、文部科学省、沖縄県、那覇市

この大会は、フィリップモリスジャパン株式会社の協賛を得て、また「パープルリボンプロジェクト事業」として開催しました。

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沖縄でシェルターシンポジウムを開催するということは、ずっと長い間、シェルターネットの夢でした。そこで、戦後70 年の年である2015年に、地元の支援関係者の皆さんや沖縄県や那覇市の多大なご協力を得ながら、全国事務局の主催という形でとうとう開催を実現することができました。

 沖縄では住民は繰り返し、繰り返し、米軍基地と関わる性暴力や殺人・暴力事件の被害に直面してきました。高里鈴代さんの基調講演でもそのことが語られ、シンポジウム、そしてたくさんの性暴力被害者の証言のパネル展示によっても、参加者は戦争・軍隊と女性に対する暴力のことを考え続けました。議員フォーラムほかの分科会においても、沖縄の女性たちが受けてきた被害の証言が続きました。理不尽な女性に対する暴力への怒りと、多くの被害経験者の痛みへの共感、連帯の思いが会場を包みました。全国からの参加者はまた、沖縄の美味しい食べ物、音楽、踊り、自然などを味わいました。

基調講演

「性暴力禁止法の制定に向けて命(ぬち)どぅ宝(たから)〜暴力のない世界へ〜」 

講師:高里鈴代さん(強姦救援センター・沖縄(REICO)代表)

概要

 米兵による少女レイプ事件を受けて、女性たちは、「強姦救援センター・沖縄」(REICO)を立ち上げ、基地から起こる軍隊の暴力をなくすために、「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」を結成した。女性たちは、軍隊を送り出しているアメリカを訪ね、沖縄の現状を女性、市民、学生、上下院議員へ訴えた。

 2008 年、再び基地外に居住する米兵による 14 歳の少女レイプ事件が起きた。しかし週刊誌の「危険な海兵隊と知りながらついて行った中学生」と大見出し記事は、被害者を中傷、非難するものだった。女性たちが開催した「危険な隣人は要らない!緊急集会」には、地域社会に起こっている米兵の暴力の報告が相次いだが、メディアや社会のセカンドレイプの中で、被害者は告訴を取り下げ、“ 親告罪 ” が被害者に沈黙を強いるものとなった。

暴力のない社会の最低条件は、戦争への道を選ばないことである。戦後70 年の節目の年に、全国シェルターシンポジウムが沖縄で開催されたことを大事に思う。平時の時も、戦争・紛争下においても、また、軍隊長期駐留下においても、すなわちどのような社会状況であっても、暴力は人権侵害であるとして許さない社会を築いて行こう。

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シンポジウム

「基地・軍隊と女性への暴力」

シンポジスト:若尾典子さん(沸教大学教授)

竹下小夜子さん(精神科医)

高里鈴代さん

コーディネーター:戒能民江さん(お茶の水女子大学名誉教授)

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分科会

  • DV被害と支援員の危険度アセスメント
  • DV被害者が働き続けるために ~シェルタースタッフができること~
  • 実践を持ち寄り、より良い支援を考えるワークショップ ~たとえば、北海道とかちの場合~
  • 売春防止法と女性支援
  • DVと子ども ―シングルマザー枠組みからの実践
  • 性暴力被害者のための総合的支援システム構築に向けて ~真の同意を問う~
  • LGBTへの暴力と社会的支援 ―これまでとこれから

婦人相談所相談支援指針における、セクシャルマイノリティへの主訴別対応を巡って

  • 議員フォーラム 性暴力禁止法の制定に向けて
  • 人身売買とシェルター ―新たな課題の渦中で―
  • 沖縄の児童買春の問題について
  • 米国研修に学ぶ、当事者を中心とした支援の有り方

琉球新報の報道から

「不戦貫き暴力のない世界を」 那覇で全国シェルターシンポ

2015年11月7日

 第18回全国シェルターシンポジウム2015in沖縄「性暴力禁止法の制定に向けて 命どぅ宝 暴力のない世界へ」(NPO法人全国女性シェルターネット主催)が7日、那覇市の県男女共同参画センターてぃるるで始まった。戦後70年に合わせ沖縄で開催。シンポジウムでは「基地・軍隊と女性への暴力」と題して、研究者、精神科医、支援者が登壇した。強姦救援センターREICO(レイコ)の高里鈴代代表は「暴力のない社会の最低条件は戦争の道を選ばないこと」と述べた。