2016年10月29日、30日 第19回全国シェルターシンポジウム2016 in大分
「だめっちゃ!DV 暴力を許さない社会をめざして」
会場:大分市コンパルホールほか
主催:NPO法人 全国女性シェルターネット
第19回 全国シェルターシンポジウ 2016 in 大分 実行委員会
後援:内閣府・厚生労働省・文部科学省、大分県・大分県教育委員会・大分県警察本部・大分市、大分市教育委員会・大分地方法務局・大分大学福祉社会科学研究科、大分県社会福祉協議会・大分市社会福祉協議会、大分県人権擁護委員連合会・大分県民生委員児童委員協議会、大分県産婦人科医会・大分県精神病院協会・大分県精神科診療所協会、大分県弁護士会・公益社団法人大分被害者支援センター・法テラス大分・大分社会福祉士会・大分県臨床心理士会・大分県司法書士会・大分県助産師会・大分県社会福祉事業団・国際ソロプチミスト大分―みどり・朝日新聞大分総局・毎日新聞大分支局・読売新聞西部本社・大分合同新聞社・NHK大分放送局・OBS大分放送・TOSテレビ大分・OAB大分朝日放送・エフエム大分
この大会は、フィリップモリスジャパン株式会社「パープルリボンプロジェクト事業」と
WAN基金助成事業の助成を得て、開催しました。
基調講演
「世界に広がるファミリー・ジャスティス・センター 〜多機関連携による被害者のための正義実現をめざして〜」
講師:Casey Gwinn さん (ファミリージャスティスセンター理事(Alliance for HOPE international 理事長)・元サンディエゴ市検事)
日本ではあまり知られていませんが、アメリカやヨーロッパでは、「ファミリー・ジャスティスセンター方式」という、ワンストップセンター型のDVや児童虐待の相談センターがたくさん作られています。多機関連携・多職種連携で専門家が、被害者の希望やニーズに沿った形で熱心に支援を提供しています。センターの内部は、さまざまな工夫と配慮がなされ、当事者が安心してサービスを受けることができるようになっています。当事者と支援者から課題を聞き取り、当事者を中心においた、このシステムは高く評価されています。
基調講演及び、その後の代表質問者とのディスカッション、そして翌日の分科会を通して、私たちは、この「ファミリー・ジャスティスセンター方式」を始められたケーシー・グィンさんにたくさんのお話を聞きました。「ジャスティス(正義)」という言葉が使われているとおり、こうした支援では、単に被害者を保護して逃がす対策を行うだけではなく、加害者に自分の行いについて責任を取らせる、加害者を処罰することも重要な要素だと考えられています。そして、ケーシーさんは、そうした社会正義に携わる検察官出身です。
講演では、ファミリー・ジャスティスセンター方式についてだけでなく、リスクのアセスメント、トラウマが与える子どもへの影響の重大さや、私たちが協力しあって支え、また被害者を守り、加害者に責任を取らせる、子どもに未来への希望を与える存在にはなるべきだというすばらしいお話を伺いました。講演の最後には、誰もが胸がいっぱいになり、涙せずにはいられないお話でした。
基調講演動画は、ここから見ることができます。
Alliance for HOPE international
ウェブサイト:https://www.allianceforhope.com/
分科会
- 我が国におけるワンストップセンターの可能性を模索する
- 当事者が求める性暴力被害者支援のための根拠法とは
- 女性支援事業全体の底上げについて ~指針とガイドラインの活用~
- ハーグ条約がもたらしたもの ~ひきさかれる子どもたち~
- DV被害者にあった女性と子どものための支援プログラム・凛(ring) ~就学前からの思春期まで:継続的支援プログラムの意義について~
- デートDV防止教育の次の課題 ~加害者も被害者も作らない心地よい関係~
- DV・性暴力によるトラウマのケアを考える ~マインドフルネスという視点から~
- 女性のための護身術WEN-DO(ウェンドー)
- 被害者支援の一環としてのDV加害者プログラムとは ~警察庁・内閣府の対応を見据えた実践を考える~
- より良い支援を考えるワークショップ
- あなたの職場は大丈夫 ~やってみよう~ LGBTに対するセクハラ・モラハラチェック
- 議員フォーラム 「包括的な性暴力禁止法の制定に向けて ~女性支援関連法案の整備~」
- DV被害者が働き続けるために ~シェルタースタッフができること~
- 性買と女性支援 ~売春防止法改正に向けて~
- 子どもへの支援 ~心理教育テキスト「私の青いノート」の試み~
- ヨーガ療法 ~こころとからだのセルフケア~ 「ゆっくり呼吸」で自分を取り戻そう!