DVとは

7.実態の把握

 DVや性暴力については、全国(内閣府、法務省)や各地方自治体による調査、また様々な観点から研究者が行っている実態調査などがあります。

 また、警察が事件として把握する件数(DV、ストーキング、虐待、犯罪など)や、配偶者暴力相談支援センターへの相談件数、裁判所の保護命令の件数などの面から状況をみる方法もあります。

例えば、

平成29年12月 内閣府の「男女間の暴力調査」(全国 20 歳以上の男女 標本数 5,000 人 有効回収数(率) 3,376 人(67.5%))によると、女性の13.8%、男性4.8%が配偶者からの身体的暴力を「何度も」経験をしており、何らかのDV被害経験がある人のうち、女性の約15%、男性の3.1%が、それによって「命の危険を感じた」と回答しています。

 性暴力については、同調査では、

「むりやり性行為をされた経験」があった人: 4.9% 164 人

女性 7.8% (その内、「18歳未満で被害にあった」20.5% その内1.4%が「同性から」)

男性 1.5%  (その内、「18歳未満で被害にあった」30.4% その内17.4%が「同性から」)

という結果がでており、

その相手は(複数回答)

「配偶者・元配偶者」23.8%「交際相手・元交際相手」23.8% で合わせると47.6%が “親密な関係”からの性暴力、つまり性的DVです。

次いで

「職場・アルバイト先の関係者(上司、同僚、部下、取引先の相手など)」14.0%

「学校・大学の関係者 (教職員、先輩、同級生、クラブ活動の指導者 など)」6.1%

「職場・アルバイト先の客」3.0%で、合計すると23.1%が“学校や職場”の関係者からの被害であり、

「きょうだい」4.9% 「親」2.4% 「養親・継親又は親の交際相手」2.4%

「上記以外の親戚」2.4% など、合計すると12.1%が“性的虐待”と捉えられるものです。

これらの被害者のうち、「警察に相談した」  3.7% 「誰にも相談しなかった」56.1%となっています。

http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/chousa/index.html

 DVの実態を調査でどのように把握すべきかの方法論については、ここ数十年の間で、世界の研究者の間で、議論が重ねられ、改善されようとしています。

◆発生率について

 例えば本人が記入するアンケート調査で「怒鳴ったことがある」などという選択肢を選んで、それを「DV行為」として扱うような安易なものもありますが、本来の社会調査は、調査票の調査でも調査員が面談して質問し、調査票に記入するものです。精神的なDV、支配とコントロールの状態を聞き取るための、もう少し工夫された質問票などが、WHOの調査チームなどで作成され、同一の方法の調査が多くの国で行われ、比較されています。

 また、同じ「怒鳴った」「殴った」という行為があっても、一度きりの衝突、対等な関係性のカップルの中でのケンカと、DV的な支配・虐待を分けて分析しようという研究者の議論もあります。

◆被害の影響について

 被害者の心理やそのダメージなどについての精神医学的・心理的な研究なども研究者によってなされています。